外苑施設
きゅうやのはらけじゅうたく
旧矢箆原家住宅
Former Yanohara Family Residence (gassho-style )
- 重要文化財
飛騨白川郷の一部(現在の高山市荘川町)にあった、入母屋合掌造りの民家。御母衣ダム建設の水没地域にあったため、1960年(昭和35年)に三溪園に移築されました。
農民の家ながら、式台玄関や書院造の座敷など立派な接客の空間や火灯窓を備え、飛騨の三長者の一人と言われた矢箆原家の格式の高さを伝える、現存する合掌造りでは最大級の建物です。現在は、移築に合わせて蒐集された飛騨地方の民具が展示されています。囲炉裏では毎日火が焚かれおり、黒光りした柱や梁、煙の匂いが昔の白川郷での暮らしを感じさせてくれます。
旧矢箆原家住宅のみどころ
合掌造りの茅葺屋根
合掌造りの茅葺屋根は厚みがあります。また「出桁造」という柱から腕木を出して桁を支えて作り出された深い軒も、雪深い飛騨地方の屋根の特徴です。
囲炉裏
囲炉裏は暖を取り、明るさを得て、煮炊きをする生活の中心の場所。煙は茅葺屋根を乾燥させ、煙の成分が茅や木材をコーティングし、防菌・防虫に優れた効果を発揮するといわれています。
その他のみどころ
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建物内には矢箆原家や白川郷で使われていた民具のほか、かつての農家の生活を知ることができる民具が展示されています。
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建物内には飛騨地方で使用されていた民具も多数展示しています。行燈や燭台など暮らしを快適にした民具を知ることができます。
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接客空間である畳敷きの部屋には床の間が設えられています。床の間はひな人形など季節の行事の展示や、折々の季節の花が飾られています。
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三間続きの座敷の最奥には、違い棚・付書院を備えた格式のある床の間が設けられています。部屋境の欄間の彫刻も見どころです。