収蔵美術品
伊勢物語
作者 | 吉川 霊華 |
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名称 | 伊勢物語 |
時代 | - |
材質等 | 紙本着色 |
員数 | 1幅 |
サイズ | 127.0×31.4㎝ |
解説
『伊勢物語』第27段の場面を描いた本図。通っていた男性が訪れなくなり、物思いにふける女性が盥(たらい)の水面に映った自分の顔を見て、「私のように物思いにふける人がこの水の中にもいた」とせつない歌を詠んでいます。
当時の日本画が、岩絵具を多用した色を主体とした制作が主流となっていたなか、吉川 霊華(きっかわ れいか / 1875-1929)は、線描の美を追究した画家です。浮世絵をはじめ、狩野派、土佐派の画技を学びましたが、特に、幕末の復古大和絵派の絵師・冷泉為恭(れいぜい ためちか)に深く傾倒しました。